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Channel: T-960の記録
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「的を得る」は誤用ではない?

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三省堂国語辞典』は第3版 以降、「的を射る」の項で「〔あやまって〕的を得る。」と書き続けてきましたが 第7版の改訂では誤用ではないと記述を変えました。

「◆的を得る」は「的を射る」の誤り、と従来書いていたけれど、撤回し、おわび申し上げます。「当を得る・要領を得る・時宜を得る」と同様、「得る」は「うまく捉える」の意だと結論しました。



「得る」が「うまく捉える」と同じ?
同じ意味で使う場合もありますが、この場合はどうでしょう?

「的を射た」は的に矢が命中した状態です。
「的をうまく捉えた」だと狙いを定めた状態の意味と命中した意味のどちらともとれます。
狙いを定めただけの意味で使う方が多いのではないでしょうか。

『冷静に的を捉えてから、ゆっくりと矢を射る』

「射る」と「うまく捉える」で意味が違うのですから、「的を得る」はやはり誤用なのでしょう。



これを読む限りでは戦後に広まった誤用の可能性が高いですね。
方言の影響という説も興味深いです。


「的を射る」が弓道、弓術に由来する言葉なのは間違いありませんよね。
戦前の弓道家や武士による「的を得る」の使用例が見つからない限り、誤用であるというべきです。






蛇足ですが、的を射る事で的を得るのだから誤用ではない、と言う乱暴な意見を聞いたことがあります。
弓矢で狩りをする情景や縁日の射的屋さんを想像しての発言でしょうか。

弓道場で的を射ても的の所有権は変わりませんし、戦場で敵を射ても得るのは勝利などです。
















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