ターミネーターのストーリーの全体像についてですが、先ずはT1とT2の時系列について過去記事の要約から。
キャメロン監督がタイムパラドックスの解決について話しています。
「可能性の未来からターミネーター等がやって来る。
現代で未来を変える様な事をすると、可能性の未来は消滅する。
その場合、未来から来たと名乗る者が突然現れた事になる……」
ターミネーターの世界のタイムトラベルは循環型ではなく選択型時系列です。
パラレルワールドとも違います。
ターミネーター(T1、T2)の出来事を確認してみます。
先ず、タイムトラベル以前の歴史A。
1A、1984年、平凡な女子大生のサラ。
2A、誰かの子を妊娠、ジョンを出産。
3A、ジョンを普通に育てる。
4A、(サイバーダインが?)自力でスカイネットを開発。
5A、核戦争。(年代不明)
6A、ジョンがレジスタンスのリーダーに。
7A、(年代不明)ターミネーターを1984年に送る。(人選はたまたま?)カイルを送る。
タイムトラベルの為1984年以降が変化した歴史B。
1A、1984年、平凡な女子大生のサラ。
(7Aより)ターミネーターとカイルが出現。(T1に似た世界)
2B、カイルの子を妊娠、ジョンを出産。
3B、ジョンを未来の核戦争に備えて育てる。(サラが伝説の女性になる)
4B、ターミネーターのチップを元に、サイバーダインがスカイネットを開発。
5B、1997年、核戦争。チップのせいで時期が早まった。
6B、ジョンがレジスタンスのリーダーに。サラの写真をカイルに渡す。
7B、2029年、ターミネーターを1984年と1994年に送る。カイルとT-800を送る。
タイムトラベルの為1984年と1994年以降が変化した歴史C。
1A、1984年、平凡な女子大生のサラ。
(7Bより)1984年にターミネーターとカイルが出現。(T1)
2C、カイルの子を妊娠、ジョンを出産。
3C、ジョンを未来の核戦争に備えて育てる。
(7Bより)1994年にT-1000とT-800が出現。(T2)
4C、サイバーダインを爆破。
5C、平和な未来・・・?
2Aから7Aと2Bから7Bは幻に成りました。
6A、7Aの時点では、ジョンはカイルが父親に成る事を知りませんから、サラの写真を渡していません。(そもそも歴史Aのジョンはカイルの子ではない。)
また、T1のカイルの台詞に、サラがジョンを指導者になるべく育てたとあります。
だから7Aから来たカイルとサラの世界は1作目ではありません。
7Bから来たカイルとサラの話が1作目の世界です。
1作目は3度目(以上)の1984年だったのです。
1984年が3度目(以上)の以上というのは、T2で描かれた1994年が1度でスカイネット阻止に成功したのかが判らないからです。
最短で上手く事が運べば3回なのですが。
1994年に、T-800の言うままに南米へ逃げていた場合、サラがダイソンを殺した場合、サイバーダイン爆破に失敗した場合、T-1000に負けた場合など1994年を何度も繰り返している可能性があるからです。
1984年も同様です。
T2に似た世界でスカイネット阻止に失敗した場合、審判の日を経て2029年から過去へと旅立ちます。
T3にはジョンの年齢などT2からは繋がらない点がいくつかあります。
でもT1、T2と似た世界の続きがT3だと解釈すると矛盾なく受け入れられそうです。
T3では「未来は変えられる」と何度も言いながらも変えられずに審判の日を迎えてしまうのも、T2のその後ではなく失敗した歴史の一部だとするなら納得です。
(T3の脚本家がそこまで考えていたとは思いませんが。)
いわゆるT4もT3の続き、失敗した歴史の一部とみて良いと思います。
(マックG監督はT3の続編では無いと言っていますが。T3に似た世界の続きかな。)
小説版『新T2』シリーズもT2のその後ではなく、T2に似た世界のその後からT1、T2に繋がる物語だと考えるべきだと思います。
『TSCC』も同様です。
審判の日を迎えてしまう物語は全て失敗した歴史の一部であり、2029年からT1を経てT2特別編拡張版の平和な2029年で完結するという事です。
これは(T3などの部分は)私独自の解釈ですが、これならほとんどのターミネーターのストーリーを1つの物として矛盾なく受け入れられると思います。
(しかも原典のT1、T2以外は幻となります。)
ジェニシスの時系列は相当ややこしい事になりそうで楽しみです。
ジェニシスは失敗して変化した歴史を修正する物語の様ですね。
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ターミネーターの時系列