トランプ大統領ですか・・・どっちもどっちな感じでしたけどね。
色々思う事はありますが、このブログで政治の話をする気はありません。
ただニュースを見ていて思い出した事があります。
高校1年の頃、アメリカからの留学生をホームステイで受け入れたことがありました。
私より1歳年上の高校生T君です。
会う前に来た手紙の自己紹介に「第2次世界大戦が好き」とありました。
幸い私も私の家族もアメリカに対してこだわりはありませんでしたが、普段表に出さなくてもアメリカを嫌っている年配者がいた時代です。
いきなり戦争の話をするなんて神経を疑いました。
会ってみると、戦史が好きな(でも理解は浅い)人でした。
190センチぐらい身長があり、小柄な私を子供だとからかってきましたが、精神面はT君の方が3、4歳年下に感じるほど子供っぽい性格でした。
アメリカの戦史の本を見せられてどの戦争に興味があるかと訊かれました。
「戦争には興味無いよ」
今なら先住民の闘いと答えるところですが、当時はネイティブアメリカンの文化にハマる前でした。
T君は私に「アメリカが1番」と言わせようとしました。
トランプ氏が言うアメリカファーストはアメリカの国益が1番大事という意味なのでしょうけど、T君の言う1番の意味は?
アメリカがナンバー1という言葉が(スローガンか何か?)存在するのは知っていました。
それでも「アメリカが1番~」の~の部分を言わないと日本語として通じないよと言いました。
T君は~に何が入るのか言いませんでした。
1番強い? ?
1番正しい? NO
1番広い? NO
1番偉大? おそらくこう言いたいのだと思いますが、何をもって量るのか?
1番野蛮、なら国の成り立ちに関して同意しますが。
(でもそれに近い国は他にもあるので1番かは?)
T君は毎晩のようにママに電話していました。
電話料金が大変なのでせめて週1にとお願いしました。
T君の父親はベトナム帰還兵で、幼少期は母親1人で育てられたそうです。
パパは正しいアメリカは正しいと母親に言い聞かされて過保護に育った沢山の子供が、T君のような性格に育って当時社会問題になっていたらしいです。
T君はどちらの支持者になったのかな?
T君は東海道五十三次の絵のトランプを持っていました。
ある日私はそのトランプが欲しいとしつこくねだりました。
T君は最後には渋々くれました。
私は地図に並べて眺めてから、T君に「はい、プレゼント」と返しました。
私の悪ふざけだったと理解して笑っていました。
根は悪い人ではないのです。
アメリカにいた時から日本語を勉強していたそうで、将来は貿易の仕事をしたいと言っていました。
日本に来て日本語は上達したけど、文化の違いや考え方の違いを理解する事が無いままホームステイは終わりました。